しおたん
~自己紹介~ 長文なので興味のある方だけ読んでください
私は高校卒業後、コンピュータ系の専門学校に行きました
卒業後に小さなソフトハウスに就職したのですが
派遣社員として客先常駐のオペレータの仕事に従事します
知ってますか?運用監視オペレータという職種を?
主に工場などで稼働している大型汎用機(AS/400)を見守る仕事です
24時間365日コンピュータに使われる日々・・・
日勤2名 準夜勤1名 夜勤1名での4名体制で従事します
仕事内容はマニュアルに沿ってJOB(プログラム)を流し
データ処理、印刷などマニュアルに従って作業するだけの仕事です
もちろんスキルなど身につかず
IT業界最底辺の職種です
それでも2年ほど真面目に勤務していたのですが
客先での大型汎用機の入れ替えにともない派遣先ごと
4名全員クビになりました・・・
営業担当から
「来月からもう来なくていいや・・・」
たったその一言だけで終了です
なんとも冷たい会社だなと思いました
当時は一人暮らしをしていたのですが
貯金も無くアパートを追い出されてしまい
仕方がなく実家に帰りニート生活になってしまいました
ニートになると親兄弟、友達、彼女の態度が一変
親兄弟は
「早く仕事を決めて出て行ってもらいたい」
とチクリチクリと小言を言われ
友達はからは
「もう電話しないでくれ」
と縁を切られてしまい
彼女からは
「もう付いていていけない、親に紹介できない恥ずかしい」
とハッキリ振られてしまいました
失業保険が切れ、いよいよどん詰まり
ヤバイなと感じたため
近所のハローワークで仕事を探しました
しかし、大手企業や高給、福利厚生のしっかりした企業は
履歴書を送っただけで不採用になります
もうどこでもいいやという気持ちで
近くの建設系の中小企業を受けました
その会社はプレハブ小屋の屋根にススキが生い茂る
立派(ボロクソ)な会社でした
あまりにボロクソ小屋だったので面接の時
その事務所にあわせるために
スーツにネクタイという真面目なスタイルでは
怪訝な顔をされてしまうかもしれないと思い
わざとネクタイを外して面接を受けました
不景気なのに誰も求人がなかったらしく
即採用になりました。
ボロい中小企業でしたが歴史のある会社だったらしく
私のような中途採用の人間はあからさまに差別を受けました
中途採用の人間はC採用といわれ
絶対に出世できない仕様になっています
配属先は誰もが嫌がる窓際部署
仕事でダメ烙印を押された人間か
中途採用の行きつく墓場部署です
入社して試用期間中に先輩から
「お前はいつ辞める予定なの?送別会はやらなくていいよね」
と会社を辞める事を前提に思われていたのでしょう
外注の土建屋の社長、従業員も中途採用では出世はしないだろうと
考えていたらしく
私に用事がある時は
「おい、お前、てめえ」
と呼ばれていました・・・
名前で呼んでもらった事はありません
そんな日々が10数年流れます
その後、ボロい中小企業は資金繰りに苦しみ倒産してしまいました
倒産時に同僚、先輩、上司、外注先は苦しみ
多くの仲間たちは散り散りになってしまいます
しかし、元請け会社は下請けとしての機能を残すために
元請企業の子会社として企業を存続させました
本来なら私なんかの中途採用は使い捨て要員なのですが
業務内容が誰もが嫌がる仕事だったため
その子会社に潜り込める事ができました。
倒産時した時に社内での有望株の多くが退職してしまい
管理要員の人事に穴が空きます
その時、信じられない事ですが
私は社内の出世街道に乗る事ができたのです
人に使われる仕事から、人を使う立場に
こうなると周囲の目は180度変わりました
以前、「おい、お前、てめえ」と
馬鹿にした呼び方をしていた
外注先の社長たちが
「しおたんくん~」と
猫なで声ですり寄ってくるのです
現場まで荷物を運んだだけで昼食を奢ってもらったり
朝、自動販売機の前にいくと
頼んでもいないのに缶コーヒーを渡されます
飲みきれない缶コーヒーが机の下に
20本くらいありました
お盆、年末になると
お中元、お歳暮が8~10個も届き
玄関先に山積になり家に入るのに苦労します
週末になると私のご機嫌を取りたいためか
社長連中から飲みに誘われる日々
今まで散々馬鹿にしていたはずなのに
こんなにも人は変わるのかとショックを受けました
その頃、社内では人を使う力量を認められ
労働組合の執行役員に推薦されました
今まで人から馬鹿にされ相手にされない環境から
人から頼られる立場に立てた事がなによりも嬉しかったです
労働組合の執行役員として部下、同僚から
労働環境や仕事の悩みを受け
少しでも力になりたいと一生懸命頑張りました・・・
しかしこれがいけなったんですね
一生懸命頑張ると会社幹部と対立する機会も多くなります
自分の性格はどうしても、なあなあで済ます事ができず
バチバチと苦情をいれました
そんな状況下で労働組合の執行役員のなかに
会社側と内通している人間が居たのです
そのゴマスリ野郎は
「自分勝手に会社側と対立して社内の和を乱す人間がいる
このままでは労働組合として機能しないため執行役員の解任を問いたい」
そう議題にあげてきました
執行役員の解任議題を受け役員投票の結果
私は労働組合の執行役員を降ろされてしまいました
労働組合は本来は労働者が団結して
経営層と労働環境の改善をさせるための組織のはずなのですが
自分さえよければ良いという考えを持つ人間がいることで
まったく機能しなくなります
いわゆる御用組合です
会社側もそれをわかっているんでしょうね
会社の犬のような人間を推薦という形で労働組合に潜りこませるのです
労働組合の執行役員を降ろされた私はその直後
東北の僻地に飛ばされることになります
表向きは栄転という建前ですが
内実は邪魔な人間を排除したかったのでしょう
数年後、東北の営業所が閉鎖になり
元の職場に戻ることができました・・・
しかし元の職場では降格人事という憂き目にあいます
かって仕事を教えていた後輩が上司になり
その人間の下で現場仕事を貰う立場・・・
これって本当に精神的にキツイんですよ
年下の後輩に頭を下げて仕事を貰い、叱責を受ける日々
以前はゴマスリにきていた外注先の社長連中は
「こいつは終わった人間だから」
と露骨に朝に挨拶しても目も合わせてくれません
仲の良かった昔の同僚は
「ツラいなら会社を辞めた方がいいよ」
そう忠告してくれます
たぶん私も年齢が若く独身だったら直ぐにでも
会社を辞めていたでしょう
しかし私は尻尾を巻いて会社を逃げ出して
ゴマスリ野郎や腐れ幹部を喜ばせたくなかったのです
自分が辞める事で腐った会社幹部が喜ばせ
ツラい労働環境に泣いている同僚、後輩を悲しませたくなかったんです
沈まぬ太陽のモデルにもなった
小倉寛太郎さんの気持ちが痛いほどわかります
https://minseikomabahongo.web.fc2.com/kikaku/99ogura.html
なぜやめなかったのか
それでよく質問されるんですけど、
「そんなにいじわるされてどうしてやめなかったのか」。
それは「このやろう」と思ってやめてやろうと思ったときだってありますよね。
しかしね、やめるとよろこぶやつがいる。
東京本社では喜び、その場で祝杯をあげそうなのがぞろぞろいる(笑い)。
一方、成田や羽田では、やめちゃったんだそうだ、なんて、
ヤケ酒飲むのがいるかもしれない。
それ考えると冗談じゃないやめられない、ということですよね。
みんなが手を挙げてやめてよかったというのならやめていますよ。
しゃくにさわるやつが喜んで、
がっかりするやつを悲しませちゃいけないと思ったんです。
私にはもう社内ではなんの力もありません
でもね会社に利用されボロボロになるような
状況を少しでもかえる事はできます
それはツライ労働環境で働く人たちの意識を変えることです
サービス残業の愚かさを説き
間違った労働環境を教えるのです
ブラック企業は洗脳のような形で自主的にツライ労働環境に従事させます
自分では疑問を持たずに盲目的に仕事をさせるからです
そんな状況を少しでも改善するには
洗脳のような形で働いている人達に
デタラメな労働環境であることに
気づかせる事にあります
オカシイな?
最初の一歩はそんな疑問からでもいいんです
自分の置かれている環境に疑問をもつ事がキッカケになります
ツライ労働環境で働いている人の
ヒントにでもなってくれれば
私は嬉しいです